『八日目の蝉』追記
2011年 05月 03日
昨夜、『八日目の蝉』を観て記事を書いたが、とりあえず賛美するのが精一杯だった。書き足りないことが多いため、あらためていくつか追記する。ただし、かなりネタバレを含むので、これから観ようという方は、読まないほうがいいかもしれない。
①前回も今回も「蝉」という漢字を用いているが、本当は、「蝉」のつくりの上部が「ツ」ではなく「口」がふたつ並ぶ漢字が正しい。携帯端末で変換される字には、限りがあって、もどかしい。
②劇中、疑似親子を演じた永作博美と井上真央が非常に似ていることに驚かされた。これは、キャスティングの妙というか、本作品にとっては、たいへん重要な要素だと思う。
③小池栄子の、猫背ぎみの演技も良かった。大柄な彼女がそうすることで、台詞外の台詞が伝わってきた。
④各種サイトを見ると、「エンジェルホーム」のシーンに違和感をもった人が多いようだ。私の場合は、くらべたら失礼かもしれないが、3月に函館の聖トラピスチヌ修道院を訪れており、女性だけがさまざまな作業に従事しながら共同生活を送る場所を見てきたから、すんなり納得できた。
⑤結局、『八日目の蝉』というタイトルは、玉手箱なき浦島太郎のようなものか、と腑に落ちたら、おかしくもあり、せつなくもあり。
⑥「タキ写真館」のシーンは……見事だなぁ。心底、そう思う。
⑦この映画、幕引きも見事だ。「ごた〜いめ〜ん」とかにしなかったのは、正しいと思う。
⑧中島美嘉の歌う主題歌『Dear』が、実に作品にマッチしていた。歌詞もメロディも、世界観と合致している。「ひょい」ともってきたテーマ・ソングとはまったくちがう。
⑨パンフレットを読むまで、ファッションのことには気がつかなかった。井上真央がボーイッシュな服を選ぶのは、本人も意識していないが、小豆島で男の子の服を着ていた影響が残っているからなのか。また、小池栄子の服装は、「エンジェルホーム」時代を引きずっているのか。……なるほど。
⑩「おほしさまのお歌を歌って」というくだりで、『きらきらぼし』の次に自分が思いついた歌が……、まさか正解だったとは。
いろいろと書いてきたが、夜が明けても、映画『八日目の蝉』を賞賛する気持ちは、かわらない。もちろん、ナイアスへの思いも、かわらない。
by xf5u
| 2011-05-03 10:45
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