『サイレント・ブラッド』
2011年 09月 19日
12:39、『サイレント・ブラッド』(北林一光・著)を読み終えた《相性B》。まず、文句があるのは、文庫本の袴(俗にいう「帯」)のコメント。貴志祐介氏の言葉として、「もう、この著者のホラーは読めないのか……」を紹介しているが、それが、『サイレント・ブラッド』をホラー作品であるかのように錯覚させている。もちろん、コメント自体に罪はないのだが、その利用のしかたが問題なのだ。『サイレント・ブラッド』には、超常現象のようなものが扱われてはいるが、ホラー小説ではない。同じ著者の『ファントム・ピークス』の残酷描写は、かなりホラー的ではあった。裏表紙にある「サスペンス・ミステリ」というのも、ちょっと違う気がする。「じゃあ、どう分類するのか」と問われても困るが、「山岳サスペンス・ファンタシィ」なのかなぁ?それも違うか……。
作品の内容としては、なんだか、「あと少し」な気がしてならない。心理描写など、描き足りない部分が多いように思うし、主人公たちが最後に陥る危機的状況すら、コント的に感じられてしまう。ちょっと、残念。
そして我らがナイアスくんは、ただいま木陰でまどろみ中……。
by xf5u
| 2011-09-19 12:59
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