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釣りと読書(主にミステリ)と映画のあれこれ


by xf5u

『少年H』

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映画『少年H』(監督:降旗康男)を観た。そうさ、これだけ映画を観ている私だが、『ワールド・ウォーZ』は観られないさ。ゾンビが怖いからな!
良い作品だと思う。ただ、気になる部分も多い。戦争映画にありがちな、痛々しい描写を前面に出すことや、変に押しつけがましい要素がないのは、成功していると思う。反面、いろいろとキレイすぎるんじゃないかとも思う。衣食住の様子や、考え方などが。もちろん、神戸という土地柄や、紳士服店を営む家庭ということや、キリスト教の信者であることは、影響が大きいだろう。でも、人間が「人間性」を喪失する、あるいは奪われるのが戦時下なのだから、「戦争って、こういうことだけでは済まないよね」という、「ひっかかり」が生じてしまうのだが……。
また、この作品で描かれる父親像は、当時、かなり特殊なものではなかろうか。子どもを子ども扱いせずにきちんと話す姿や、自棄を起こして暴力や酒、その他に逃げない父……。これがスタンダードでは、ないよね。
劇中、特高や憲兵の類は、本当に怖かった。「この時代、決して戦争の相手国ばかりが敵ではない」というのは、かなり上手く描けていた。「非国民」というレッテルは、恐怖以外の何ものでもないのだろう。
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写真は、昼間撮影した「鈴鹿 青少年の森」の道伯池だ。ふだんの姿をご存じの方は、いかに水がないか、わかるだろう。渇水状態も、いいところだ。ここいらで少々、まとまった雨がほしいところだ。
by xf5u | 2013-08-14 23:13 | Comments(0)