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釣りと読書(主にミステリ)と映画のあれこれ


by xf5u

『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』

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映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』(監督:齊藤潤一)を観た。
映画を観る環境としては、かなり悪かった。ホールに並べられたパイプ椅子、鳴りやまぬ電話やメールの着信音、映写機前を横切って出入りする人たち、喋り声……。そもそも、ある会合の後の上映会だったため、観客のほとんどが高齢者だった。
作品は、私が勝手に「ハーフ・ドキュメンタリィ」と呼んでいるタイプのものだ。ドラマ・パートは、拘置所内や裁判中のようす等を補完していた。人物や喋り方など、「似せよう」とする役者の努力も感じた。私は三重県民だから違和感はないが、関西弁だが大阪弁とは全然ちがう三重弁に、戸惑うこともあったのではないか。
私は観る側として、できうる限りニュートラルであろうとした。しかし、司法に対する疑問や、村落社会の残酷な面など、いろいろと考えさせられた。
「獄中死」という言葉をあえて使わずに、巨大な力が狙うものを匂わせて、作品は終わる。しかし、この映画が投げかける問題は、いまだ終わってはいない。
by xf5u | 2013-11-16 17:16 | Comments(0)