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釣りと読書(主にミステリ)と映画のあれこれ


by xf5u

『風景を見る犬』

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01:29、『風景を見る犬』(樋口有介・著)を読み終えた《相性A》。
これは、めっぽうおもしろい。そもそも森博嗣と樋口有介は地の文が軽妙ながら深く、それだけで一級品だ。
今回の語り口はウチナーグチ(沖縄方言)だが、「〜さぁ」は誰もが使うけれど、「〜しましょうね」が巧みだ。実にナチュラル。作者は沖縄出身でもないのに。
ラストのアレは、ちゃんと読める人でなければ、わからないかもしれない。そのあたりも、優越感をくすぐる。
ともあれ、登場人物たちの魅力と、会話の味わい、それだけで完璧。文句なし。ミステリ要素とその解も哀愁を含んで素晴らしい。料理もまた良し。
文句はひとつだけ。「平和祈念公園」の「祈念」を「記念」と誤植してはいけない。最低限、注意を払ってほしかったところ。
正直に告白すると、私は一度だけ、栄町通りに足を踏み入れたことがある。20年以上前、今の職に正式採用された夏だ。だからもう、なんというか、描写がよくわかる。あの赤い電球の家々、タクシーの運ちゃん、家の前の椅子……実に印象的だったから。
by xf5u | 2016-10-17 01:31 | Comments(0)