釣りと読書(主にミステリ)と映画のあれこれ


by xf5u

『獏の檻』

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11:52、『獏の檻』(道尾秀介・著)を読み終えた《相性B+》。
巻末の、市川真人氏の解説が素晴らしい。現代の小説の読まれ方をここまできちんと説明されると、降参するしかない。
また、この小説の終盤を私は公園のあずまやで読んだのだが、腕から胸元へと勢いよくかけ登る蜘蛛を見つけ、払い落とすつもりが、死なせてしまった。意図しない自分の凶行に驚き、遺骸に手を合わせたが、どうなるものでもない。この蜘蛛に喰われるはずの虫を助けることになったと想像しても、虚しいばかりだ。なんだか、この出来事は、この小説を象徴しているように思えてしまう。
本作を読んでいる期間、眠るたび、いろいろな夢をみた。「たくさんの若い女性たちを相手にサバゲー。ひきがねを引こうとするが、黄色い銃の使い方がよくわからない」とか、「視察にきたエライさんたちに、私の旧知の人がたくさんいたらしい」とか……。果たして、私の内面の何が影響したのだろうか?
こうやって、外堀のようなことばかり書いているのは、本作がとても表現しにくい作品であり、感想のようなものをうまく書く自信がないからだ。
とまれ、方言やら伏字やらで決して読みやすい小説ではないのだが、それをこえて読む価値は十二分にある。

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by xf5u | 2017-05-28 11:53 | Comments(0)