人気ブログランキング | 話題のタグを見る

釣りと読書(主にミステリ)と映画のあれこれ


by xf5u

『東尋坊マジック』

『東尋坊マジック』_d0077607_22383294.jpg

17:34、『東尋坊マジック』(二階堂黎人・著)を読み終えた《相性B一》。
久しぶりの二階堂黎人作品で、久しぶりの『○○○マジック』。
文庫になる前の親本の刊行は2011年8月だが、作中の年代設定は1996年3月。なにしろ、「クリントンは、今年も出馬しますしね」とある。だから、ひと昔前風の描写が散見する。
今ならオリンピック開催年なんてスマートフォンで調べればすぐだが、わざわざ電話で人に尋ねているし、ホテルの予約もネットでしようという発想がない。「携帯電話はあるが、スマートフォンはない時代」のもどかしさを感じた。
逆に言えば、ネット環境がない分、主人公の人脈が凄い。まあ、そういう設定なのだが、多趣味ゆえに人との繋がりが幅広すぎて笑える。
本作の良いところは、ライトな感覚で読めるところと、日本各地の旅の薀蓄が豊富なところだと思う。
逆に問題点は……、圧倒的に偶然が勝ちすぎているところだ。まさか、あんな風に事件関係者と出会い、御都合主義的に解決に向かうとは。日本国民は何人いるというのか。ひとつの村じゃないんだから、ありえない。
苦笑したのは、「わたし、電話を持っているわよ!」という普通の台詞しか発していない人物に対して、「豹柄のコートを着た関西人女性」と出身地を決めつけたこと。豹柄イコール関西ってこと?
by xf5u | 2018-01-26 17:37 | Comments(0)